うるわしきWin11環境を求めて…

以前、クラウドPC(Windows365)でWindows11環境を手に入れたことを書きましたが、結局こちらをあきらめました。
その後、代替手段として、Macに仮想環境Parallels Desktopを導入して、Windows11も正規購入した上で、Windowsの動作検証環境を準備しました。仮想環境ではありますが、Microsoft公認だけあって、そこそこ快適です。

Windows365をあきらめた主な理由は、国内リージョン選択ができなかったためです。Windowsの動作検証環境として、どうしても外部メールサーバとの通信が必要だったのですが、私が契約したWindows365 Businessですと、任意のリージョン選択(どの国に所在しているかを明示する情報)ができませんでした。どうしても海外にあるPCと認識されてしまい、海外サーバからの接続に制限を設けているメールサーバとの通信ができなかったんです。
Microsoftの公式サポートにも確認したのですが、やはりWindows365 Businessでは国内リージョン選択を選ぶことができない、との回答でした。Businessよりも上位のプランでしたら、リージョン選択ができる雰囲気だったんですけど、費用が増大するのであきらめました。
いやぁ、クラウドPCということで魅力的な選択だったんですが、こんな結果になってしまい残念です。

来月には、とうとうWindows10とOffice 2019のサポート終了期限を迎えます。私の周辺でも、皆さん、ようやく重い腰を上げてWin11導入に取り組み出しました。5年程度、先のことを見据えたWin11導入を慎重に、真剣に検討することをお勧めします。

大阪でつれづれと考えたこと、万博と司馬遼太郎

先月末に前年に引き続き、今年も下水道業界の一大イベント、下水道展のブース設営・運営サポートに行ってきました。今回の開催地は大阪でした。

お仕事はつつがなく済ますことができ、開催場所が大阪万博の近くだったこともあり、仕事終わりに万博にも寄ることができました。評判通り、すごい人で、数えるほどのパビリオンしか見ることができませんでしたが、そこそこ楽しめました。
ただ、歳のせいなんですかね、幼少の頃、興奮しながら訪れた、つくば科学万博(1985年開催)のときのようなワクワク、ドキドキ感はありませんでした。

これらのお仕事前なんですが、念願だった司馬遼太郎記念館にも立ち寄ることもできました。記念館は、ご遺族?+地元の有志ボランティアらしき方々で運営されていて、いかにも大阪市井の作家に終始された司馬さんらしい、親しみやすい空間でした。

司馬さんの作品ですが、個人的には10代後半〜20代後半ごろまで、ほぼ全てを読破して熱中したものです。その冷徹で客観的な筆致、明るく合理性を愛する明確な作風には、さまざまな影響を受けたといえます。それらの作品を生み出した膨大な資料・書籍が記念館の壁を埋め尽くしている様を見ると、これまでの自分の生き方を含め、さまざまな感慨を抱く時間でもありました。

ただ、いつごろからだったか覚えていないんですけど、司馬作品から少し距離を置くというか、ちょっと冷静に見始めた時期があるんです。
これは知人から聞いた話しなんですが、とある街の市民講座で「司馬文学と史実の違い」とかいった題目で、歴史学の教授が講演することがあったんだそうです。それなりの聴講者が集まったそうなんですが、公演の途中で参加者のご老人が立ち上がって
「司馬さんの書いていることは、全て事実だ! あなたの言っていることが間違っている!」
と叫んで、会場が騒然としたことがあったとか。司馬さんの作品って、そんな中毒性というか、これこそ真実!って信じ込ませる魔力があるんですよね。

ただ、司馬さんって、大衆小説家なんですよね。読者が喜ぶように、ある程度、事実を膨らませたり、史実を取捨選択してストーリー展開をよくするような工夫(もしくは創作)はしているようなんです。それを踏まえた上で、あくまでも娯楽小説として読むのが、司馬文学への適切な(というか健康的な)接し方なんじゃないかな、と今では思っています。

万博にせよ、司馬文学にせよ、そのときの年齢だからこそ、興奮して熱中できるものってあると思います。それが過ぎ去ると、ウソのように「あれって何だったんだろう?」って寂しく思い返す不思議な感覚…。真夏の太陽が照りつける難波の街で、そんな思いにふけっていたんですけど、おそらく司馬さんに、その思いを伝えたら、
「あなたが、そう感じるんなら、それでもいいんじゃないですか(笑)」
と言ってもらえるんじゃないかな、という妄想をしながら、大阪を後にしました。

Windows11をクラウドPCで始めてみました。

日常的に使っているPCがMacなので、Windowsはクライアント側の使用環境に合わせた動作検証に使うだけという状況からWindows11の導入には、なかなか重い腰があがりませんでした。

ただ、Windows10のサポート期限が今年10月に迫ってきますと、さすがにそろそろWin11環境を準備せざるえなくなり、いくつかの選択肢を検討した結果、Microsoftが提供するクラウドPC、Windows365でWin11環境を使ってみることにしました。
このクラウドPCですが、一般的なWin11搭載PC機器を購入することなく、Microsoftが用意するクラウド・サーバ内にWin11が稼働するOS領域を契約して、さまざまなデバイス(Macなどの非Win機器も可)から接続してWin11を使用する、という利用形態になります。

このWindows365の利用申し込みをしたところ、途中、Microsoft指定の認証方法で少し混乱しましたが、1時間もかからずにWindows11の使用環境を入手することができました。その後、デフォルトの英語環境を日本語環境へ設定変更することにひと苦労しましたが、なんとか一般的なPCと同じように使えるようになりました。
このWindows365を使ってみた率直の感想としては、これからはこんな形のOS利用もありかな、って感じですね。一番のメリットはWin11 PC機器を所有するわずらわしさがないことですけど、OSとハードウェアが切り離されることで、OS更新時のトラブルも低減できると思います。法人組織などでのWin11導入で、十分、検討対象となりうる選択肢だと感じました。

以前、これからのPC利用形態について、勝手気ままに想像してみたことがありましたが、Windows365は、その時イメージした「大きな政府」に該当すると言えます。OS更新やセキュリティ部分は、Microsoftなど「大きな政府」にお任せして、ユーザはOSが提供する環境を利用するだけで済む、といったものです。こんなお任せPC利用形態ですが、今後どんどん増えていくかもしれませんね。